はい、どうも。ヤマダカワウソだよ。今日も頑張っていこう。
明治以降の日本人が英語で日本の文化伝統を紹介した本はいくつかあるね。
その中で代表的なのが、
新渡戸稲造 武士道
岡倉天心 茶の本
そして今回紹介する、
内村鑑三 代表的日本人
だよ。
「歴史で習った気がする…」
この中だと、新渡戸稲造が一番有名かな。旧5000円札の人といえばわかるかも。
こういった著書は、当時開国間もない『日本』と『日本人』とは何かを欧米人に知らしめるのにとても役立ったようで、特に『武士道』は、アメリカ大統領も読んだそうだよ。
国際化の進む今だからこそ、日本人とは、日本とは何か知るために、読んでおきたいね。
1.日本とは、何か
さて、そんな三書の違いを確認しておこう。
『茶の本』は、西洋と異なる日本の文化を示し、
『武士道』は、武士とは何か、日本人の精神について書かれた本だよ。
そして、そういった文化とか精神とかの象徴を具体的に見ていったのが、『代表的日本人』だよ。
「で、そこに書かれているのは誰なの?」
うん。まずは西郷隆盛。維新の立役者の中でも特に人気者だね。
そして、上杉鷹山。米沢藩の財政を立て直した領主。
次に、二宮尊徳。今は彼の像を置く小学校は少ないかもしれないけれど、勤勉の象徴だね。
中江藤樹。仏教を排斥し、陽明学を教えた先生。
日蓮聖人。仏僧としてだけでなくその人柄も尊敬に値する。
「坂本龍馬とか織田信長とかのほうが人気なんじゃない?」
大事なのは、代表的日本人かどうかだからね。
内村鑑三がどう思ったかはわからないけれど、龍馬や信長のような人は、代表的日本人ではなかったのかもしれないね。
『日本人はこんな人たちがいて、我々はこういう人たちを理想としている』ということを、内村鑑三は世界に伝えたかったんだね。
2.英語学習には向かないかもしれない
「で、どう?読んでみて。」
うん。5人とも性格は違うけれど、『日本人らしさ』がうかがえるよ。
でも、英語学習の観点から言えば、あまりいい本ではないかも。
「え、どういうこと?」
まず、文法で混乱するよ。
例えばこんな感じ。
Mingle not with the world till I call thee forth.-Representative Men Of Japan
ぼくの感覚でいえば、
Don’t mingle with 〜が自然だと思うね。
古語文法なのか、それとも今でも使われる正式な用法なのかは、ぼくにはわからないよ。
知っている人がいたら、教えて欲しいな。
「ねえ、theeってなに?」
そう、そこが難点その2。
やたらと古語がでるんだ。
聖書や、米独立宣言書などの正式な文書では、2人称や3人称が古語になる。
theeは2人称目的語。youと置き換え可能だよ。
人称だけじゃなくて、仕方ないんだけれど、他の単語も古いんだ。
たとえば、
One day,one of his comrades addressed him as “Confucius “
で、comradeという単語は、現代では、共産党や組合の同士という意味で使われる。
この文のように、共に戦う仲間の意味として使われるのは、オックスフォード現代英英辞典にもold-fashioned と書かれている。
つまり、全体として古語がかなり使われている。
もちろん、シェイクスピアや聖書を読んだり、英語そのものの研究をしたい人なら必要かもしれないけれど、コミュニケーションとして英語を使う人にとっては、あまり有用な本ではないと思うよ。
結論
目的にあった本を読もう。昔書かれた本は読みづらい場合がある。
本日はここまでだよ。
これに屈せず、次は武士道を読んでみたいよ(^●ω●^)
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