はいどうも、カワウソだよ。
TOEIC受験後に雨後の筍のように宣伝されるのが、「たった2回で965点取得した僕のTOEIC勉強法!」というような勉強法関連のブログだ。
実際、TOEICを受けた直後は「失敗した…。」とか「早く読めるようになりたい」とか、悔しいと思っている人が多いから、こういうブログを読みたくなるだろう。商魂たくましい限りだよ。かつ、そういうツイートに『いいね』をして興味を沸かせようとしているのだから、まさに目が\マークになっている。
もちろん、そういう中には非常に勉強する人にとってためになるものも多い。
しかし、中には、最後にTOEICを受験したのが1年以上前という人もいる。
1年以上前に取得した得点を自慢して、「●●点とる方法教えます!」とブログやnoteで宣伝している人を見かけるよ。
900越えを最後に取得したのは1年以上前なのに、受験後や結果発表後を狙って
「受験された皆さん、おつかれさまです!さて、高得点を取れずに悔しい思いをした人もいるでしょう。そんなあなたに、TOEIC960点を取得した僕の勉強法をお教えします!」(実際のツイートより。一部改変)
などと喧伝するのが彼らの手法のようだ。実際僕も、TOEICの結果をTwitterで投稿したら、フォローもしていない英語学習系アカウントのいくつかからいいねがきた。その中に、上のような、1年以上前の結果をいまだに売り文句にしているアカウントがあったんだ。
はっきり言う。1年以上TOEICを受験していない人のブログ・メルマガ・noteを読む必要は全くない。時間のムダでしかないと思うよ。
今回は、その理由を考えていくよ。
(補足)
当記事の意図としては
1年以上TOEICを受けていないにもかかわらず、「TOEIC950を取る方法!」のような記事を書き今なお宣伝しているブログを読む価値は極めて低いのではないか、そういう疑問を抱いてのブログ記事です。
TOEICを主題としてない英語ブログに関して扱うものではありませんので、この点を十分ご理解くださるとありがたいです。
個人叩きだと勘違いしてほしくないのだけれど、1年以上前のTOEICのスコアをもとに「TOEICの勉強法教えます」とかブログやnoteにするの、当事者でないぼくさえ恥ずかしさを感じるのです。
世のTOEIC高得点者が毎回のように受験しているのに、何を受け惜しみしているのだと。— カワウソ🇬🇧英検数検1級チャレンジ (@english_otter) July 28, 2019
TOEIC高得点がまぐれである可能性
900点は1回きりだと「まぐれ」の可能性がある
まず初めに、1年以上TOEICを受験していないブログの中でも特に、最も注意しなければならないタイプのブログを紹介しておこう。
それが、900点越えの記録を1回しか達成していない人の記事だ。ちょうど僕自身がこれに当てはまるのだけれど、客観的に見てこのことは否定できない。
というのも、TOEICはまぐれで実力以上の点が取れてしまうテストなんだ。
これはTOEIC(正確にはTOEIC L/R)の特徴の一つなのだけれど、マークシート方式のテストでは、テキトーに解いて全問正解する、ということが理論上可能な試験だ。
もちろん、英語力皆無の人がテキトーに選択して900越えというのは現実的には起こりにくいだろうけれど、800点後半台の人がまぐれで何問か正解して900点をとるというのは十分あり得ると思う。
TOEIC公式問題集(4)にある参考スコア換算表をもとに推測すると、各パートで450点(合計900)をとるのに必要な正解数は、リスニング・リーディングともに93問前後(100点中)だ(得点は回の難易度によって大きく前後するのでその辺はご理解いただきたい)。
つまり、リスニング・リーディングともに93問以上正解すれば、900点の可能性は十分見えてくる。
一方、800点後半を取得するのに必要な得点は、各パート87問ほどだ。
つまり、800点後半と900点との差は各パート100問中わずか6問でしかない。
となると、実際は800点後半程度の実力しかないにも関わらず、まぐれで900点取得している可能性も十分ありうる。
「私は違う。本当に900点後半の実力がある!」という人もいるだろう。
もちろん実力で900点を取った可能性も否定することはできない。逆に、実力は990点レベルでも調子が悪くて900点という人もいるかもしれない。
ただ、そう主張するのであれば、複数回900点以上を取れば証明できる。それだけの話なんだ。
理論上はまぐれで連続900点超えというのもなくはないけれど、確率としてはものすごく低い。
実力800後半の人がまぐれで900を超える確率が仮に5%(この数字はテキトーです)だったとしても、それが2回連続で起こる確率は0.25%。さらに3回連続900超えとなると0.0125%となり、もう偶然とは言えなくなるだろう。ここまでくると、確実に900点以上レベルだと言っていいだろう。
実際に計算はしていないけれど、実力が800点後半の人がまぐれで900点を超える確率は2%以上はあると見ている。決して多い数字ではないけれど、50人いれば1人いるレベルだ。
たった1回900超えを達成したのを宣伝しているブログは、この1人かもしれない。僕も900点を1回しかとっておらず、まぐれの可能性がある。だから、上で紹介した世ような、「TOEICの勉強法教えます」といったアピールはしていない。
僕自身、その「まぐれで900点取った」一人だ。一回だけ900点ぴったりとったことがあるけれど、その後受験したら865点くらいまで下がっていた。
TOEIC高得点取得者が実はまぐれである可能性を少しでも減らすためにも、たった1回900を超えて以来1年以上受験していない人のブログは信用しない、もっとはっきり言ってしまえば、読まない方がよいと思っているよ。
TOEICは1年で大きく変わる
10回前の必勝法は参考にならない
TOEICの特徴として、マークシートなこと以外にもう一つ意識しておきたいことがある。
それは、年10回も受験されているということだ。
これは英検(年3回実施)の3倍以上、通訳案内士試験(年1回)の10倍の実施ペースだ。これだけの回数を実施している試験はそうないだろう。
ということは、1年以上前の点数は、10回以上前の試験の点数だということになる。
考えてほしいのだけれど、どんな試験も10回分たって傾向が変わらないことはそうないだろう。
事実として、TOEICは公式問題集を4~10ヶ月おきに新しく出版している。
これは、TOEICの傾向がゆるやかにかわっていることのあらわれだと思うよ(もちろん商業的な意図もあるのだろけれど)。
実際、チャット形式の問題が新しくでるなどの変化はあったしね。
で、TOEICが傾向を緩やかに変えているのだとすれば、1年以上TOEICを受験していないひとは、今のTOEICで高得点を取れないかもしれない。
さすがに1年前900点だった人が700点になることは考えにくいけれど、わずかな変化に動揺して数点落とせば、たちまち800点台になってしまうだろう。
だとすれば、もし1年以上前の試験の勉強法ブログを読んだ人がいざTOEICに挑んで「こんな形式、記事では触れてなかった!」という事態になりかねない(ちょっと極端なシチュエーションかもしれないけど)
あるいは、受けたこともないのに、それっぽいアドバイスを書いているかもしれない。TOEICの勉強法に関する雑誌を読んだことがあるのだけれど、その中の記事で、実際にそういう指摘があった。
そういうことがあるから、1年以上TOEICを受験していないひとのブログには極めて注意が必要だと思うよ。
TOEICを1年受けない人の知識は『中古品』になっている
TOEIC満点取得者でも、毎回受験し続けている
それでも、noteに価値があると主張する人はいるだろう。
たしかに、1年受けていないだけでその内容自体の価値がゼロになるわけではない。実際、それが素晴らしいものであれば、その価値は変わらない。
しかし、読む価値はゼロになるんだ。読んでもいいけれど、よりためになるブログやnoteが生まれるんだ。
というのも、900点を超えていてなお毎回受験し続けている英語ブロガーは山ほどいるんだ。
あるいは、900点を超えていなくとも、毎回受験すれば、「今回はこういう特徴があった」「今回はTOEICの新傾向かもしれない」というのが受験のたびにわかる。
どういう点が変わって、どういう点が変わらなかったか、それはTOEICブログを読む人の興味あるところだろう。
しかし、TOEICを1年以上受けていない人は、こういった要求にこたえることができない。
TOEICを良く知らない人、TOEICでまだ低得点しか出せていない人には需要があるかもしれないけれど、そういう人向けの情報についても、TOEICを受け続けている人のブログの方がより詳しくかつ正しくアドバイスできるんじゃないかな。
すなわち、TOEICを受けていない人のブログは、受け続けている人の記事に比べて内容が劣っている可能性が高い。
となれば、ブログを読んだり、あるいはお金を払ってまでnoteを読んだりする必要は全くないのではないかな。
(追記)TOEICの調査をしている記事を読もう
統計的なデータは一個人の経験よりも信憑性がある
いちブロガーが言うのもなんだけれど、やはり、個人の経験には限界がある。一人の人が考えたことなんて、あっているかどうかわからない。
僕は、なるべくTOEIC公式のデータを引用するなどしてできるだけ信憑性の高い記事を書いているつもりだけれど、他の英語ブログでそういうものは少ない。その多くは、有料なものも含めて、自分の経験でしかない。その人が「こうしたらうまくいく!」と言ったところで、実際ほかの人に当てはまるかどうかはわからない。率直に言えばジンクスとほとんど変わりない。ジンクスとか占いレベルでしかないのに、いかにもこれが真実だといわんばかりに書くことで、読者をだましているのがほとんどだ。
じゃあ、学習する人は何を頼ればいいのか。簡単だ。体験談ではなくて、データに基づいたものを読めばいい。
例えば、【TOEICの必要学習時間目安】TOEIC学習者を対象に調査(https://hitononayami.com/toeic-study-time/)という記事では、TOEIC学習者1000人にオンラインでアンケートを取って、現在の点数と目標とする点数、必要な学習時間の目安の関係を調べたものだ。
これによると、例えば現在850点の人が950点を取るためには、250時間程度勉強するとよいというのが分かる。
これはTOEIC公式にはないデータだったので非常にためになったよ。
この記事のように、客観的なデータに基づいた記事を読み、学習に生かした方が効率いいのではないかな。
今回はここまでだよ。
個人的には、ブログで勉強すること自体いかがなものかと思うけれど、どうせ読むのなら質の高い記事を読もう(^●ω●^)
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