はいどうも、カワウソだよ。
日本はTOEIC至上主義なところがある。
就活などにおいては、完全日本産で4技能が測れる英検ではなく、半分アメリカ産のTOEIC、それもL/Rの2技能だけの方が重宝されているように思う。
「英検1級すごいね。で、TOEIC何点?」
「1級ですか。でも企業はTOEICですよね(by990点保持者)」なんか悔しい😢日本での英語力のものさしはやっぱりTOEICかな。こうなったら、9月990点目指すしかない🔥
— 薬学生SHO (@tenaciouseng) August 3, 2019
個人的には、TOEICよりも英検の方がはるかに上だと思っているよ。
英検を受験して、社会人にはTOEICよりも英検を受けるべきだと思った。
しかし、日本では英検よりもTOEICらしい。
そもそも、英検もTOEICも国際的に通用する試験ではない。
TOEICはかろうじて韓国では通じるだろうけれど、欧米ではTOEFLやIELTSの方が圧倒的に主流だ。
しかし、TOEFLやIELTSで良い得点をとっても日本ではなかなか通用しないだろう。
そこで今回は、どの試験でどれだけの点数を取ればどのくらいのレベルに達するのか、その基準となるCEFRについて考えていこう。
英語民間試験導入の検討の話で若干話題になったこのCEFRだけれど、自分を含め、これについてよく知らない人は多い。
このCEFRという基準を学べば、マイナーな語学試験を受験しても、それがどのくらいのレベルなのかがよくわかるだろうし、世界(特にヨーロッパ諸国)で進学や就職をする際に役立つと思われる。
そんなCEFRはどういうものか、以下みてみよう。
CEFRとは何か
CEFRとは言語レベルの統一基準だ
まず、CEFRとはなんだろう。
Cambridge Centerによると以下のように書いている。
ヨーロッパ共通参照枠 (CEFR) は、言語能力を評価する国際指標です。(中略)
もとは、EU欧州評議会にケンブリッジ大学英語検定機構が協力して、ヨーロッパ共通で使えるよう考え出した言語教育と評価の方法のガイドラインです。
(Cambridge Center より)
例えば、日本人が日本企業で就活する際、履歴書に英検やTOEICの点数を書くだろう。
しかし、TOEFLや国連英検を書いていたとしても、無視されるか「TOEICで何点?」という意味不明な質問をされてしまう(国連英検については、こういう質問はたぶんされない。あまりにマイナーだからだ。)。
あるいは、複数の言語を勉強しているとき、自分は英語とフランス語のどちらがより堪能か、なかなか比べるのが難しい。
フランス語検定1級を取ったところで、「それTOEICなら何点?」といわれても答えるのが難しいだろう。(ただ、こんなおかしな質問してくる企業に入るかどうかh考え物だ)
そういった、異なる資格、異なる言語のレベルを比較する際に役立つのがこのCEFRだ。
各言語ごとに6つのレベルがあるんだ。基礎から順に、A1,A2,B1,B2,C1,C2の6種類。
なんとなくCよりAの方が良いようにもおもうけれど、実際はCが最も難しく(流暢に言葉を操れる)、Aが基礎レベルということになるんだ。
では、具体的にそれぞれのレベルでどういうことができるか、以下みてみよう。
CEFRのレベルごとに何ができるか
語学学習者は最低限B2を狙おう
具体的にCEFRのレベルごとに、どれくらいの言語運用能力があるのだろうか。
ブリティッシュ・カウンシル(pdf) では大まかにA1(小学生)、A2(小〜中学生)、B1(中学〜高校)、B2(高校〜大学)、C1-C2(大学生以上)としているよ。
より具体的に、何ができるかを覗いてみよう。
ブリティッシュ・カウンシル 表の一部を抜粋すると
B1…仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題につ いて、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。 その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人 的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を 作ることができる。
B2…自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題 でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解 できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取 りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題につい て、明確で詳細な文章を作ることができる。
C1…いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解し て、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与え ずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を 営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟か つ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確 で、しっかりとした構成の、詳細な文章を作ることができる。
C2…聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解する ことができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情 報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。 自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。
(ブリティッシュ・カウンシル https://www.britishcouncil.jp/sites/default/files/pro-ee-lesson-level-cefr-jp.pdfより)
すなわち、例えば何かの資格で英語力がB2と判断された場合、その人は、高校で習得するレベルの英語力があることをあらわしている。具体的には、わりと複雑な文章の概略をつかんだり、ネイティブ英語使用者と自然に会話ができるレベルだということだ。
語学を学ぶ人は、まずはこのB2を最低目標にするといいと思うよ。
CEFRにおいてTOEICの評価は高くない
じゃあ、英検とかTOEICは、CEFR的にはどのレベルなのだろう。
Cambridge Center 自体はTOEFLや英検には言及していないようだけれど、文部科学省が対応表を作っているよ。
( http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/117/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/11/04/1363335_2.pdf )
これによると、ヨーロッパでは高校卒業以上レベルとされるB2に対応するのが、
英検…準1級
TOEIC 1095-1300(L/R 785-)
TOEFL iBT(72-94)
大学生以上のC1が
英検…1級
TOEIC 1350-1390 (L/R 945-)
TOEFL iBT (95-120)とあるよ。
これを見ると、英検1級に合格した人はTOEIC945以上の実力があることになる。
もちろん問題形式が違うから単純な比較は正確ではないのだけれど、これはなかなかすごいことだと思っているよ。
というのも、TOEICで945点を超えるためには9割以上正解しなければいけない一方で、英検1級は7割正解すれば一次試験のリーディング・リスニングには合格基準を満たすんだ。
こうみると、TOEICの評価は高いとは言えないのではないかな。
TOEICは満点が取れないことを嘆くテストで、英検はある程度以上取れたら満足すべきテストなのかもしれないね。
そういうことを考えれば、TOEICで785点以上の人は、(「TOEIC力」でなくて英語力を上げたいなら)、英検1級などの試験にチャレンジしたほうがいいかもしれないね。
ヨーロッパで言語の学習レベルの指標となるCEFRでC1(大学生レベル以上)を取るためには、TOEICより英検1級のほうがいいのではないかな。
本日はここで終了だよ。
英検1級をとり、c1レベルとして認められる日が来てほしいよ(^●ω●^)
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