はいどうも、カワウソだよ。
TIME誌が、The 100 Most Influential People of 2018(最も影響力のある100人)を発表したよ。
前年は日本人として、歴代初の女性都知事、小池百合子さんが唯一選ばれたよ。
でも、国政に関与して以降、急に支持率を落とし、今はすっかり表舞台にはたっていないね。
実際、小池百合子知事はTIME100 2018には選ばれていないよ。
では、日本人では誰が選ばれたのか。
日本人からは2人、安倍晋三総理と孫正義CEOが選ばれた。
今回は、安倍総理と孫正義CEOに加えて、世界を騒がせている2人、ドナルド・トランプ米大統領と金正恩北朝鮮総書記についてTIMEでどう書かれているか見ていこう。
安倍晋三・孫正義~TIME100に選ばれた2人の日本人~
安倍晋三~粘り強く、かつ柔軟なリーダー~
選ばれた一人は安倍晋三総理。推薦人はマルコム・ターンブル氏。オーストラリアの首相だよ。
彼はJAPAN’S REVIVALISTと表現されている。日本を取り戻した人、再活性化させた人ということで、かなり高く評価していることがわかるね。
では内容を見てみよう
(前略)he is both resilient and pragmatic, recognizing that the prosperity and security of our region depends on maintaining and developing the rule-based international order.-TIME
拙訳 彼は、粘り強く、また実用的な考えをする人だ。というのも、我々の地域(環太平洋)の反映と安全は、規則に従った国際秩序の安定と発展にかかっているのだから。
詳しく読んでいくと、これはTPPのことを言っている。アメリカがTPPを脱退すると宣言して暗い見通しだったけれど、日本が脱退せず、3月11日にTPP-11に署名したことを評価しているね。
TPP-11というとあまり日本のテレビでは言われていないみたいだけど、オーストラリアの首相はこの点を中心にわが国の首相を評価しているんだね。
In a world with many strong and dominant leaders, he has certainly been as tenacious and courageous as any other.-TIME
拙訳 多くの強く、支配的なリーダーがいる世界で、彼は間違いなくほかの(強いリーダー)と同じくらい粘り強く、また勇敢だ。
日本で見ていても、習近平、トランプ、プーチン、ドゥテルテなど強いリーダーがいることは感じられるね。そんな世界において、安倍総理の政治的手腕を疑問視する声も国内にはある。しかし、ターンブル総理は、安倍さんを彼らと同じくらい勇敢なリーダーだ、そう評価しているよ。
日本人からすれば、TPPを抜けなかっだけでそんなに褒められるかと思っちゃうけれど、人口が少なく貿易が日本以上に大切なオーストラリアにとって、TPP-11は日本人が思う以上に重大なことなのかもしれないね。
一部の国々が自国第一主義を掲げている中で、安倍晋三総理が中心となって結成したTPP-11はグローバリズムの確保の上では大事な役割を果たしているのではないかな。
孫正義~世界の加速者~
もう一人、日本人として選ばれたのが、ソフトバンクCEO 孫正義さん。
推薦人はダラ・コスロシャヒさん。UberのCEOだよ。
日本ではまだ主流ではなかったけれども、海外ではUberはありふれているね。
そんなUberのCEOがなぜ孫正義を推薦したか。
TIMEの注釈には、「Uberはソフトバンクが投資した会社だ」と書かれているよ。
孫正義氏といえば大胆な投資でも知られているけれど、Uberも彼の投資先の一つだったんだね。
彼の第二の名はTHE DEALMAKER.
取引をする人、という意味だね。
アメリカのトランプ大統領もDEALMAKERと呼ばれることもあるけれど、コスロシャヒ氏は孫正義をディールメイカーと呼ぶことでトランプを皮肉っているのかもしれないね。
さて、そのコスロシャヒ氏。彼をどう描写しているか
But these inventions aren’t society’s only accelerators.A few rare people are accelerators too. SoftBank CEO Masayoshi Son in one of them.-TIME
拙訳 しかし、(PCやケータイ、印刷機のような)発明品は、社会を加速させる唯一のモノではない。わずかな2,3人もまた、社会を加速させる。ソフトバンクCEO孫正義はその一人だ
世界を動かすのはモノやサービスだけではなく、孫正義氏のような『人間』もまた世界を動かしているんだね。
コスロシャヒ氏は、孫氏の加速者としての面を分析し、彼に三つの特徴があることをしめしているよ。
まず一つが超楽観主義。「問題を見つけるのは簡単だが、解決策を見出すのは難しい」というのが孫氏の中にあるそうだよ。
そして、世界の行く先を見る能力。未来をほかの誰よりも明確に予測し、世界が進む方向に早く到達する。
最後に、ビジョンある資金。単に株を増やすのではなく、
he invests big right out of the gate, helps establish a category winner and holds on for a long time-TIME
彼は門の外から大きい光をあて、その分野の勝者を築くのを手伝い、長期にわたりとどまる(株を売らないでおく)
逆に言えば、Uberは「世界の行く先にあり」「孫氏は株をすぐに売らないだろう」と書いているんだね。ある意味でUberの広告にもなってるね。
日本以外の『最も影響力のある100人』
さて、では日本人以外で、気になった人物を挙げていこう。
以下上げるのは、特に気になった二人、ドナルドトランプと金正恩だ。
この2人について、どのように描写されているか以下みていていこう。
ドナルド・トランプ~ワシントンに投げられた閃光弾~
共和党、としてアメリカと世界を変えつつある大統領、ドナルド・J・トランプ氏。
別名 UPENDING THE ESTABLISHMENT 。エスタブリッシュメントをひっくり返す、という意味だね。
そして、この説明の入り方がまた面白い。
President Trump is a flash-bang grenade thrown into Washington by the forgotten men and women of America. -TIME
トランプ大統領は、アメリカの忘れ去られた男女によってワシントンに投げられた閃光弾である
忘れ去られた男女とはどういうことか。ラストベルトの失業者、エリートと対局にある人のことだよ。
めだかボックスの球磨川禊が極端なまでの反エリート主義だったけれど、まさかその反エリート主義者がアメリカ大統領になり、エリート官僚・エリート政治家を困惑させている。閃光弾という表現からそういうことがうかがえるよ
で、この文章を書いたのは誰かというと、、あのテッド・クルーズ。
テキサス州知事で、トランプと同様に過激な発言で知られるよ。
詳しくはこの動画を見てね。
モノ申す系Youtuberシバター氏の方が筋が通っているように思える、それほどの意味わからなさだよ。
彼のこういった行動もまた、エスタブリッシュメントへにあらがう「閃光弾」なのかもしれないね。
金正恩~世界最恐の人間~
そしてもう一人、世界で一番目が離せない人物が、北朝鮮の金正恩。紹介者は韓国在住の脱北者、Hyeonseo Lee氏。著書 The Girl with Seven Names: A North Korean Defector’s Storyでしられるよ。
脱北者でありながら、Lee氏は金正恩が北朝鮮首脳になったとき、わずかな期待を持ったそうだよ。
,knowing that he had encouraged democracy and capitalism studying in Switzerland.- TIME
彼がスイスで学び、民主主義と資本主義を推薦していたと知り、(わずかな期待をもった)
だけど、実際は違った。
But he’s even worse. -TIME
しかし、彼はもっとひどかった
北朝鮮情勢といえば、日本のメディアではとにかくミサイルのことばかりだけど、当然内政もひどいらしい。
10万人以上が強制労働所で拷問され死に至り、目撃者によると母親が自分の子供を無理やり溺死させられたこともある。
最後にLee氏はこう締めくくっている
He’s the most dangerous person on the planet.-TIME
彼はこの惑星で最も危険な人物だ。
TIMEから読む「人間関係」
推薦人は誰かを読む
さて、今まで見てきてきて、あまりニュースでは注目されていないある点に気付いたよ。
推薦者の存在が大きいんだ。
安倍総理でいえば、オーストラリアという国を危機から守った人物だし、TPP関連の会議で何回も交流しただろう。
孫正義氏においてはUberの投資家だし、トランプ大統領とクルーズはもともと共和党代表を競い合った二人だ。
あるいは、Lee氏のように、金正恩の支配に苦しめられてきた人がいる。
思い返せば、2017年、TIME100に小池百合子氏を推薦したのはパリ市長だったよ。東京都とパリは姉妹都市だし、小池さん自身選挙開示日にパリにいたほどパリ好きだね。
TIME100では、誰が選ばれて誰が選ばれなかったかだけでなく、誰が選んだかにも注目することで、国際関係・企業同士の関係がいっそうわかるんじゃないかな
今回はここまでだよ。
TIMEでも日本人の存在感が増せばいいなと思っているよ(^●ω●^)