はいどうも、カワウソだよ。
日韓関係の悪化は戦後最悪とまで言われている。
そのことが、実際数字にも表れはじめていた。
2019年8月の訪日韓国人の30万8700人。これは前年同月と比べて48%も低い数字だという。
(2019/9/19 毎日新聞より)
しかし、この現象は本当に悪いことなのだろうか。
確かに、隣国との関係をわるくするのはいろんな面で不利だ。
しかし、あくまで『観光』という観点に限定した場合、あくまで数字上では、訪日韓国人が減ってもたいして問題はないようだ。
少なくとも、「訪日韓国人が減って日本が貧乏になるかもしれない」という主張は、日本全国規模で考えると間違っているだろうし、以下書いていく内容を見ていくと、地方規模においても十分対処できると考えているよ。
今回は、なぜ訪日韓国人が半減しても数字上は問題ないかを説明するとともに、逆に数字には表れにくい別の問題をかんがえていこう。
(注意)
はじめに行っておくが、僕は韓国人を差別する気は一切ない。
単に、統計から数字に基づいて判断した、あくまでも『事実』を基にしているに過ぎない。
また、僕自身が将来通訳案内士になったとしても、韓国人訪日客に冷たくあしらうようなことは一切行わないことをこの場で誓います。
訪日韓国人半減で日本はどのくらい損するのか
まず、日本にとって、訪日韓国人の減少がどのくらい損になるのかを計算していこう。
観光庁の調査によると、2018年、訪日韓国人の消費額は合計で5842億円だった。
これは、中国に次いで2番目に大きい数字だ。
もし、訪日韓国人数が今後も同じように半減すると仮定すると、12か月で2921億円の損失となる。
令和元年度の沖縄振興予算が約3000億円だから、政府が沖縄のさまざまな事業にお金を払わなくなるくらいの深刻さだ。
あるいは、日清製粉の2018年の売上高が3200億円ほどだから、それがなくなるほどの損害だ。
国際的な規模で考えるとすごいのかすごくないのかわからなくない数字だけれど、訪日韓国人が半減すると、約3000億円の損失があることは覚えておいてほしいよ
訪日韓国人減少による損害は中国人が補填する
中国人の勢いがすごい
ここだけみると、かなりの損失としか言いようがないだろう。なんせ、日清製粉がなくなるのと同じくらいの損失だ。いかに日本が韓国人観光客に頼っていたかわかるだろう。
しかし、観光業トータルでみると、そこまで損失は大きくないように思う。
というのも、訪日中国人がとてつもない勢いで増えていたんだ。
2018年、訪日中国人の数は647.7万人。これは韓国についで2番目に大きい数字だ。
そして、増加率も著しい。訪日中国人の数は前年比21.8%の増加。爆買いという言葉が流行って数年後の今もなお、日本にやってくる中国人は増え続けている。
この増加により、日本にどのくらい利益がもたらされるのだろうか。
訪日中国人の1人あたり支出額は約22万5千円。これは訪日外国人の国籍別でみるとトップ3に入る金額だ。
もし、2019年度の訪日中国人数が2018年の20%、129.54万人ふえたとすれば、それによる収益増加額は2914億円。
なんと、韓国人訪日客の減少による損害を、中国人訪日客の増加でほとんど穴埋めしてしまうことになる。
ここまで同じ数字になるのは、僕自身計算してみて驚いているよ。
さらに、他の国からの観光客数も全体的には増加しているため、トータルとしては韓国人の減少をカバーできると推測されるよ。
訪日韓国人半減で起こりうる問題
大ダメージを食らう地域は存在している
しかし、こういった数字だけ見て「韓国人観光客はいらない」などと主張する気は一切ない。
まず、金が賄えるというのは日本全体で見た話でしかない。
すなわち、地域ごとに見えば、韓国人訪日客で生計を立てている場所があるし、そういう地域は反日活動によりとてつもないダメージを食らっている。
長崎の対馬がその一例だ。
地図で調べてもらえばわかるけれど、対馬は韓国に近い。一番近いところだと50kmもないそうだ。
そんな対馬。韓国人観光客も多い。2018年の対馬市の観光客数は53.4万人だったけれど、そのうち韓国人は約41万人。観光客の4分の3ほどが韓国人だったそうだ。
しかし、2019年、日韓関係が悪化してからは街に閑古鳥が鳴いているという。
(数字は 産経新聞 韓国人観光客激減で対馬の観光に打撃深刻 閑古鳥にも「静かさ取り戻した」の声 より)
日本全体としては前年を上回るかもしれないけれど、対馬など、韓国人に人気の観光地は経済的な大ダメージを食らっている。
もし韓国人観光客が減り続ければ、こういった地域はたちまち寂れてしまう。
かといって、ではほかの国や日本人の観光客を増やせるかというと、やはり時間がかかるんじゃないかな。
地理的あるいは文化的に、韓国人による観光業で栄えていた街は対馬以外にもあるのだから、もし日韓関係がこれ以上悪化すれば、そうした地域の衰退は確実だろう。
観光は摩擦解消に貢献する
さらに言えば、お金以外の問題が発生する。観光は、単にお金以上によい効果をもたらすと考えられるからだ。
それが、友好関係の強化だ。
観光で体感するのは、食べ物や風景だけではない。やはりそこに住む人々との関係も重要な役割を果たすと思う。
でなけりゃ、風景だけならユーチューブで、食べ物ならその国の日本料理店である程度対応可能だしね。
そこで手厚い対応を受けたとすれば、帰国後、その国への好感度はさらに高まるだろう。
それによって、国家間の関係悪化を緩和するのに貢献するかもしれない。
観光は、国家間でおこる摩擦の解消におおきく寄与するはたらきがあるのではないかな。
実際、コロナによって訪日外国人数が急落している今、国内外では、若干ナショナリズムの勢いが高まっている。観光には、単に「お金を落とす」以上の役割があったのではないかな。
中国人土地購入問題
また、「中国人がおしよせるから安心だ」といった。しかし、あまりに中国人観光客がふえすぎるのも、また深刻にとらえなければいけない。
というのも、中国には、日本の土地購入という問題があるからだ。
もちろん韓国人が土地を買うこともあるけれど、自国を買うことができない中国人のほうが、より日本の土地を買っている。
中国人がますます訪日してある地域を気に入る、あるいはさびれた地域を探し出し、そこを購入する。
購入するだけならいいものの、その土地をリゾート地にしたり、日本の国益にならない形で利用されるケースがおきている。
これについては日本人個人単位で対処できる問題ではないけれど、外国人による土地購入に関する法の整備ががすすまないうちに中国人がどしどし来るのもまた問題なのではないかな。
追記)コロナ禍の外国人観光客減少の影響について
GoToトラベルでは対馬に行こう
2020年のコロナウイルスによるパンデミック(COVID-19)の影響で、海外から訪日する人がほぼゼロとなっている。上では、「韓国人が来なくても中国人がどんどん来てるから経済的な観点では問題ない」と書いたけれど、その頼みの綱だった中国人も来ない(もちろん、中国人に頼りきりではまずい問題もある。詳しくは上見出しで。)これにより、観光業界への問題はどうなるのだろうか。
2019年における旅行消費額をみてみよう。観光庁のデータによると、日本人旅行者の観光消費額は21.9兆円、そして海外からの訪日客の消費額は4.8兆円とのことだ。
訪日外国人消費動向調査2019年年間値(速報)及び10-12月期(1次速報)について
だいたい比率は4:1程度だ。思った以上に外国人観光客の落とすお金は大きい。しかし、(当然といえば当然だが)過半数を占めるまでにはいかない。すなわち、日本人が普通に活動すれば、観光業界は普段の2割程度の損失まで抑えられるんだ。
かといって、ほぼ完全に収まった台湾ならともかく、コロナがまだ収まっていない日本で普段通りに旅行する可能性は低い。経済的な理由もあるだろうし、普段通りになることは難しい。
ただ、今回GoToトラベルで、いままでいかなかったところに行く人も増えているだろう。そういう人にお願いするのだけれど、ぜひとも、対馬など、普段韓国や中国の人が行っているようなところを旅してほしい。
観光客のうち外国人の割合が高い場所ほど、今回の被害が大きいと予想される。そして、そういう場所は、日本人のおく訪れる観光地ではない(京都や鎌倉を除く)。だから、GoToにおいて対馬を選択肢に入れる人はそう多くない。
しかし、国内の観光産業を考えるうえでは、こういう場所が衰退するのは国にとって損でしかない。コロナ後にこの地域が衰退してしまえば、復興するのは難しい。
だからこそ、GoToトラベルを利用する人は、なるべく対馬などの、「普段外国人観光客の割合が多い場所」に行ってほしいよ。
今回はここまでだよ。
訪日韓国人の半減は、経済的には大きな問題ではないものの、経済以外で大きな問題が発生するのではないかな。
その、経済以外の問題解決のために、政府には奮闘していただきたいところだよ(^●ω●^)
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