はいどうも、カワウソだよ。
民間試験の導入が延期になった今なお、英検の人気は高い。公式HPによれば、2018年度は中高生だけで300万人近い人が受験したという。
そんな英語試験で重要となってくるのが文章読解読解力だ。
特に英検の1級や準1級となると、時間が足りずに満足のいく得点が取れなくなる人もいるだろう。
そういう人のなかには、語彙パートで高得点を狙おうとする人もいる。「知っていれば解ける」という極めて単純なパートだから、ここに注目する人が多いのもわかる。
僕としては、英検、特に1級や準1級での語彙パートで満点を狙うのは非常に効率が悪いのでオススメしていない(詳しくは英検1級で英単語満点狙うのは絶対おすすめしません! を参考にしてほしい)。知識で解ける問題も大事だけど、ひとたび習得すればほぼ永久に使える読解・リスニングで点を取るために勉強時間を割いた方がいいと思っているよ。順調にやっていけば7割を継続的に取れるので、よくても8割狙いくらいでとどめておいた方がいいと思うよ。
もちろん語彙力の高さで読解力の不足を補うことも理論的には可能だけれど、二次試験のことも考えると、やはり長文読解系問題で得点できた方が有利だと思われる。長文というほどではないけど、二次試験である質疑応答にもある程度文章読解の能力が必要だしね(僕自身は文章題のことも『長文』とは認めていないのだけれど)
そこで今回は、英検1級のリーディング問題で、読解問題(Part 2,Part 3)16問を満点正解した僕が、どうすれば時間内に英検の文章題を読むことができるのか、その速読法を考えていくよ。
これをぜひ参考にして、英検リーディングセクションを確実にモノにしていってほしいよ。
英検の読解問題に速読はいらない
英検はTOEICより読解スピードがはるかに遅くてもOK
まず初めに言わせてほしい。
上で、『英検の文章題の速読法』と書いたけれど、実際のところはちょっと違う。
英検の文章問題は、TOEICなど他の試験と比較して時間的な余裕がある。
ぶっちゃけ言うと、『速読』なんてできなくても英検1級の読解問題はクリアできるんだ。
むしろ、正しく言うと、英検1級程度の文章題で時間が足りなくなるのは読むのが『遅すぎる』。
では、どのくらい遅いかをTOEICと比較してみていこう。
TOEICのリーディングパートは75分、Part5が語彙・文法系の問題で、Part6,Part7は読解系だ(part6は微妙に文法も入っているが、Part5と違って文章中の流れをある程度読まないと解けないモノがいくつか入っている)。
トイグルの記事では、part5は10分で解くのが目安と書いてある。
僕自身は15分くらいかかるのだけれど、とりあえず10分で解いた場合を想定しよう。
その場合、Part6とPart7の計70問を解くのに65分しかかけることができない。1問あたり1分弱というハイペースだ。
読む文章も19題(ダブルパッセージ・トリプルパッセージも1組とカウントする)。TOEICでは、文章1題あたり平均3分半しかかけられれないんだ。
一方の英検はどうだろうか。
英検1級の場合、リーディングパートとライティングパートとで100分与えられている。
語彙パートの25問を10分、英作文に30分かかるとすると、読解問題16問に賭ける時間は60分。
1問あたり3分45秒かけるかけることができる。
なお文章の数は5題。
1題あたり12分もかけることができるんだ。
もちろん、TOEICと英検とはまったくタイプの異なる文章が出題されるから、これだけでひとえに断定することはできない。
とはいえ、英検1級の読解問題では、1題あたりTOEICの4倍ほど時間をかけることができるということは頭に入れておこう。
英検1級合格のための読解法
正解するための読解法=「要約」
では、英検の読解問題でどのように解いていけばよいか、具体的に考えていこう。
以下、1級の問題をベースに考えていく。
1級のリーディングパートは『語彙(短文の空所補充)・長文の空所補充・長文の内容一致』の形式で、2級・準1級と同じだ。
準2級以下に関しても、長文が会話文に置き換えるなどすれば十分対応できるので、参考にしてほしいよ。
これは1級に限ったことではないのだけれど、英検の読解問題は、『内容の抽象化』が大事になってくる。
どういうことかというと、文章の各段落を見て、『要するに何なの?』が理解できているかが問われている。
これは、空所補充も内容一致も同じだ。
内容一致問題では、例えば「A氏の主張はこの段落でどういう意図があるか」など凝った問題も出題されるけれど、なんら心配することはない。
筆者の主張と同じであれば主張をサポートしていることになるし、その逆であれば批判を意味している。
おそらくしばらくの間は通用する法則なのだけれど、英検は『読めればわかる』んだ。
TOEICでは、読むだけでは解けない問題もある。ダブルパッセージとかトリプルパッセージとかいうのがその例で、わりと細かいところまで覚えておかなきゃいけない問題もある。
しかし英検はそうではない。
段落ごとに、『これはだいたいこいう内容だ』というのをまとめれば、そのまとめがそっくりそのまま正解の選択肢になっている。
僕は、英検の長文対策は一切しなかった。しかし、それでも満点を取ることができた。
経験からしても、英検の読解問題は『要するに何?』しか問われていないと思うよ。
英検読解問題への勉強法
速く読むには多読しかない
以下、英検の読解問題をどう時間内に攻略していくべきか、2つのタイプに分けたうえでそれぞれ考えていくよ。
読むのが遅い人と、解くのが遅い人、この2つのタイプに分けてそれぞれ考えていこう。
まずは、日本速脳速読協会のサイトでwpm(1分間にどれだけよめるか)が計測できるので、一度ためしてみてほしい。
文章レベルは
2級を狙っている人は高1・高2レベル
準1級以上を狙っている人は大学入試レベル、あるいは難関私大レベルに挑戦しよう。
TOEIC完答に必要なwpmが150,センター試験突破に必要なwpmが100だそうだ(参考サイト:国際外語センター 江坂校)。
以下、準1級以上を狙う人は150以下、2級を狙う人は100以下の人を『読むのが遅い』人、それよりも速かったのにいつも時間切れする人を『解くのが遅い人』と分類するよ。
では、それぞれの対処法を以下みていこう。
まず、読むのが遅い人。
ゆっくり丁寧すぎる読み方をして、時間内に読み終わらない人は、練習が足りない。
実は、この記事では、読解問題のことを「長文問題」と表現しないように意識して書いている。
英検側が長文と書いているから、そこを引用する形で長文と書いているところはあるのだけれど、基本的には読解問題と表記している。
それは、英検の『長文』問題は長文じゃないからだ。
英検1級のリーディングセクションは、語彙パートもいれてわずか11ページだ。
しかし、世の中に11ページの書籍がどれほどあるだろうか。あるとすればその多くは子供用だろう。
分量で考えると、英検の問題を10回やるよりも、1冊洋書を読んだ方が多い。
僕の定期購読しているTIME誌なんて、毎週送られてくるけれど、少なくとも40~50ページくらいはある。特集があると70ページを超える週もある。
分量だけで言うと、毎週英検1級を4回から7回以上解いているようなものだ。いや、TIMEは英検よりも詰め詰めで書かれているから10回分を超えているかもしれない。これを1週間かけて解くとすれば、毎日英検の文章問題を1回分以上こなしていることになる(レベル的には英検よりも難しい)。これだけの量を1ヶ月続ければ、少なくとも英検の読解問題で間に合わなくなるというのはなくなるとおもうよ。
この速読スピードが120wpmなかった人は、ラダーシリーズをオススメするよ。
ラダーシリーズとは、やさしい英語で書かれた、ノンネイティブが多読をするのに最適な書籍のシリーズのことだ。
まずは一度、以下の書籍を読んでみてほしい。
仕事で忙しいとかそういう理由を除いて、これを読むのに1週間以上かかるようであれば、明らかに読むのが遅い。
ラダーシリーズに限らず、洋書を買ってみて、とにかく1冊読み切ってみること。
多読こそが、英検で必要な読解スピードを身に着ける最適な方法だと考えているよ。
『読んでも解けない』のは国語力の問題かも
続いて、上の速読テストでは問題ない(準1級以上挑戦者はwpm150以上、2級は100wpm以上)のに時間切れになる人は何がいけないのか。
読む速度に支障ないのなら、解く速度を改善する必要があるだろう。
先ほども書いたように、英検の問題では内容がそのまま素直に問われている。
にもかかわらず解答に時間がかかるというのは、正直英語力というよりか、国語力に問題があると思う。
煽っているようで申し訳ないんだけれど、英検の読解問題でわからず悩むのは、読めているようで実は読めていないと結論付けるしかないんだ。
母国語での読解力、特に要約力のところに何か重大な問題があるようだ。
もちろん、英検の文章題が実は要約問題だということに気付かなかったのなら、それは仕方ない。
もう一度、段落ごとに「何をいっているのか」意識しながら読み進めていただきたい。
しかし、それでもなお読めない、わからない単語がバンバン出ているわけでもないし、英検の文章題が要約問題であると認識していないわけでもない。にもかかわらず正解できないのであれば、一度母国語の文章からやり直すしかない。
煽っているわけではない。むしろ、その程度の読解力しか持っていない人が一定数いるのは仕方ないことだとさえ思っている。
というのも、社会人の約半分が、1ヶ月に1冊も本を読まないと報告されているんだ。
(ガクログより)
また、10代・20代の人は新聞も読まない(20代の新聞閲覧率は1割足らず…主要メディアの利用状況をさぐる(2019年公開版))。
もちろんネットが進んだことも大きいのだけれど、若い世代は、僕が思う以上に、活字にふれていないようだ。
どれだけ優秀な人でも、長い文章に触れないでいれば国語力は衰えていくだろう。
実際にどのくらい自分に読解力があるか、一度日本語能力試験というのをためしてみてはどうかな。実際、英検1級の文章問題で正解率が半分くらいだったH大学の大学生は、この例題を間違えていたとTwitterで公表している。あえてプラスにとらえれば、母国語の運用も十分でない人でも英検1級の文章題で半分正解できるということになる。
日本語能力試験は外国人用に作られた問題で、N1が最も難易度が高い。
読解だけでなく知識も問われるのだけれど、このうち読解問題で二問以上ミスったのなら、あなたの国語力は危うい。
もし2問以上間違えたという人は、日本語での読書習慣をつけることをオススメするよ。
特に、小説ではなくて、新書など、何かを説明・解説している文章を読むことをオススメするよ。
(もちろん小説もオススメだよ。ただ、英検などの試験で出題される文章とは考え方、読み方が異なるところがあるので注意しよう)
今回はここまでだよ。
英検の読解問題は、TOEIC以上にシンプルで、だからこそ本当の読解力を試される。
となると、英語を多読する、場合によっては日本語を多読することが非常に大事なのではないかと思うよ(^●ω●^)
コチラもオススメ!