はいどうも、カワウソだよ。
元東進講師・武田塾の英語講師のもりてつ先生が、大学入試の英語で最も難しいのは早稲田の理工学部の問題だと話していたよ。
早稲田の理工と言えば、僕の母校だ。その、超難しい問題を一度受験して合格している。
そして、僕は先日、英検1級に合格した。受験生だったころよりも英語力が増しているはずだ。
今回は、このもりてつ先生の言っていることが本当かどうか、実際に解いてみたよ。
問題を解いている様子はこちらから↓
PartⅠ 文章題(内容一致)
「日本一難しい」の発言に納得
今回解いたのは、2021年度の入試。今年度(2021年度)入学した学生が解いた問題だ。なお、著作権の都合で、一部の文章は削除されている。過去問はこちらから観閲可能だよ→https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/past-test/
まず、PartⅠから始めた。大学受験だと、本当はより高得点を出すために、解く順番を考える必要があるのだけれど、今回は素直に一番から始めるよ。
そして、それが判断ミスだった。いきなり心が折れた。
まず、内容が重い。最初に読む文章の内容が、「医学で使う画像の認識におけるさまざまな理論」。なんだこれ。
わかりやすく言うと、CTスキャンみたいなのを分析し、より正確に身体の異常を検知する技術に関する話だ。
一般的に、私立理工系の大学では、その学部に関係した内容の文章を読まされる。理工学部でいうと、科学史とかITとか、そういう感じだろうと思っていた。
その予想を裏切り、医療(?)。科学系の文章は、たまに前知識があって解けることがあるんだけれど、この文章に関して前知識を持っている受験生はゼロだろう。
内容が重くても、読めればいい。しかし、やはり無理だった。
英検1級の文章題で一度満点を取り、またTIMEを定期購読している僕が、ひととおり読んでまったく理解できなかった。二回読んで、かろうじて意味が分かった。
僕の実感としては、TIMEよりも難しい。一説には、早稲田の教授も解けないという噂だ。こんなの高校生に解かせるとか、いったいうちの大学は何がしたいんんだろうか。
結果は、12問中6問正解(著作権の関係で解答不可能のものをのぞく)。自分でいうのもなんだけど、英検1級合格者(一度、長文問題で満点を取ったこともある)で、理系知識もそこそこあるはずの僕が半分しか正解できないのだから、受験生で差がつくわけがないと思っているよ。ある意味悪問だと思うよ。
PartⅡ 語句整序
簡単かと思ったか?それは罠だ。
続いてPartⅡ。これは語句整序。文章中の一部が問題になっていて、全部で5問。
個人的には、解ける問題と、解けない問題との差が大きかった。
5問中3問解けたのだけれど、この解けた3問は、論理的に考えてこうしかありえないというのができた(実際、その3問はすべて正解した)。
しかし、残りの2問は、どう手を付けていいかまるで見当がつかなかった。いくら考えても、それっぽい文章にならなくて、結局諦めたよ。
また、問題とは関係ないけれど、ここで扱っていた文章もまた難しい。Irradiationとかいう、初見の単語が出てきて、容赦ねえなと思ったよ。
結果は、5問中3問。
解く機会がなかったとはいえ、まだまだ修行が足りないと思ったよ。
PartⅢ 文法・語法
受験生よ、ここでしっかり得点しよう。
続いて、文法・語法。
これがまた面倒くさい。「1~3のうち、冠詞がつくのはどれか?」のような、シンプルではあるけれど普段特別意識しないような問題が出題される。
とはいっても、先ほどの語句整序や文章内容一致問題と比べるとはるかにたやすい。Section Aは6問中6問、満点正解だったよ。(Section Bは著作権の都合で解答できず)
これから受験する人は、このPartⅢで高得点を取れるようにしておこう。
PartⅣ 論理問題(?)
落ち着いて考えれば満点も可能
続いてPartⅣ。これは面白い問題だった。
ある命題が正しい場合、以下の選択肢から正しいものを一つ選べという問題。高1数学で習う「論理と集合」の基礎的問題だ。もちろん、英語で。
いや、本当に驚いた。さすが理工というか、基礎的な論理思考力がない人は落ちるということだろう。その他、公務員試験教養試験の論理問題を簡単にしたものだったり、選挙のパラドックス(一番人気な人が選ばれないという矛盾)など、論理的思考力を問う問題が見られた。
ここは、当然というか、PartⅠと比べるとかなりやさしい英語だ。同じ試験なのかどうか目を疑うレベルで平易な英語で書かれている。その代わり、基礎的な論理的思考力は必要となる。逆に、ここで正解率が半分以下の受験生は、数学の試験でもしくじるだろう。
個人的には、論理パズルを解いているようで楽しかったよ。受験生はここで得点できるようにしよう。
ちなみに、Section Aは5問中5問、Section Bは5問中4問だったよ。
PartⅤ 単語
システムも難しいし、単語も難しい
そしていよいよ最終パート。単語問題だ。
それも、ほかの大学とはまた違う。
意味が複数ある単語を答える問題だ。(i)意味その1、例文1 (ii)意味その2、例文2 という感じ(例文は空白になっていて、そこにあてはまる単語を答える。頭文字のみ記載。)なんだけど、そのシステムがちょっと面倒臭い。
単語のアルファベットが数字に変換されるんだ。例えば、a,b,c,…..gは1、h,i,……mは2という風に置き換えて、例えばappleという単語はa3321という風になる。一見暗号だ。
で、その変換だけでなく、解答も難しい。思いつかないものもあって、結局正解数は15問中10問。なかなか高度な語彙力が必要な問題だったよ。
早稲田大学理工学部英語 受験感想
受験生は、解く順番を考えよう
配点が分からないからどれくらいの点数かわからないけれど、だいたい6~7割くらいだろう。数・理・英がそれぞれ120点ずつで計360点満点(得点調整なし)。合格最低点は、学科の中で最も高い物理学科が232点。各科目65%くらい取れれば合格となる。数学と理科でそれぞれ7割取るとすれば、英語は53.4%取れば受かる。
それならば、とりあえず英語に関しては合格圏内ではあるだろう(ただし、化学をまったく忘れてしまっているので、全体としてはたぶん点が足りない)。
とはいえ、PartⅠ、いくら何でも難しすぎる。英語は理数が終わってから解くそうだけれど、これ、過去問見たことない受験生は泣くんじゃないか。
実際、僕が受験生時代、ここの受験が終わって、「ダメだった」と親に電話した記憶がある。問題は忘れてしまっていたけど、たぶんここの文章問題にコテンパンにやられてたんだと思う。
逆に、今後早稲田の理工を受験されるかたにお伝えする。
英検1級に合格した(筆記試験に限れば4度合格している)僕でさえ、PartⅠのいわゆる長文問題は、半分しか正解できなかった。高校生だと、実力で1問も解けなくても問題ない。とりあえずテキトーに選んでおけば、それで十分だ。
だから、焦らないことだ。その先、PartⅢやⅣは、真面目に英語(と数学)をやっていれば解ける問題だ。そこを落とさないようにしてほしい。
後は、単語問題。これがなかなか難しい。第一志望の人は、特に心してかかるように。
今回はここまでだよ。
英検1級よりもバリバリに難しいから、受験生の人は、英語よりもむしろ理数の勉強を頑張ってほしいよ(^●ω●^)