はいどうも、カワウソだよ。
TOEICや英検を受験されている方は、以下のようなフレーズを聞いたことがあるだろう。
英語は才能ではない。どれだけ勉強したかが全てだ
この言葉はよく聞くし、僕の経験からしても、そうなのだろうと思っている。
しかし、それを、何等かの根拠を元に言った人はどれだけいるだろうか。
僕は、書籍まで出している有名TOEIC講師のツイッターアカウントを何人かフォローしているけれど、彼らが何かソースを元に「英語は才能でない説」を唱えているのを見たことがない。
というわけで、今回は、「英語はふれた量がモノをいう」を、統計情報をもとにして証明していくよ。
TOEICの統計でわかること
勉強年数が長くても限界は来ない
まず、英語の中でも数値がわかりやすいTOEICの統計を引用していこう。
本当は他の試験でもいいのだけれど、有力でかつ大規模な統計情報をだしている資格検定はTOEIC以外ではあまりないので、当ブログのほかの記事においても何度も使用している。
さて、その中で、『英語学習期間』とTOEIC平均スコアの相関関係を見て見ると以下のようになっている。(L/Rの順。カッコ内はそれぞれの標準偏差)
~4年 261/201 (95/98)
4-6年 272/213 (93/97)
6~10年 298/243 (91/98)
10年~ 356/304 (88/100)
参考サイト https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/pdf/Worldwide2017.pdf
これを見ると、勉強時間が長いほど、リスニング・リーディングともに点数が高くなっている。
特に、10年以上勉強した人は、6年以上10年未満の人と比べて各分野60点近い伸びがある。
これを単純に見ると、英語は10年以上勉強しても、まだまだ十分伸びる余地のある分野だということになる。
リスニングとリーディングで正反対の結果に!
さらに、日常における英語使用率とTOEICの結果・標準偏差の関係も載せておこう(L/R (標準偏差)の順)
0% 274/222 (92/98)
1~10% 310/255 (94/102)
11~20% 339/282 (92/104)
21~50% 357/300 (90/105)
51~100% 387/330 (88/106)
上の章で書いたのと同じように、英語に触れれば触れるほど点数は高い。これはもはや当然だろう。
そしてさらに、もう一つ発見がある。
それは、勉強期間が長いほど、あるいは英語に触れればふれるほど、リスニングでは標準偏差が小さくなるのに対し、リーディングはむしろ大きくなるという点だ。
標準偏差というのは、いわばバラつきのことで、いわば、この数値が大きければ大きいほど、人によってばらつきが大きい。
ここから解釈すると、
英語に触れれば触れるほど、リスニングはみんな比較的似たり寄ったりの点数になるのに対し、リーディングでは伸びる人と伸びない人との差が大きくなる
ということが言えそうだ。
これはどういうことだろう。
例えば、以下のような仮説が提唱される。
それは、『リスニングが勉強時間に純粋に比例するのに対して、リーディングの勉強量は勉強時間だけでははかれない』という仮説だ。
どういうことか。
一般的に、リスニングで流される音声はスピードが同じだ。
ある文を1分間読み上げたら、それは英語のプロにとってもアマチュアにとっても1分間だ。
この場合、内容の理解度はともかくとして、一定時間の音声から入ってくる情報は、受け手の英語レベルによらず同じだ。
つまり、勉強時間と勉強量が正比例する。だから勉強すればするほど点数に開きはなくなる。
一方のリーディング。
これは、同じ量の文章でも、読むのにかかる時間は人それぞれだ。
ある人が10秒で理解できる文章でも、別の人には1分かかることだってある。
となると、一定時間に受け取れる情報量は、人によってまちまちとなる。
そしてその差は、勉強時間が長くなればなるほど開いていく。
となると、勉強期間が長いほど、成績に差が出てしまう。
このあたりが関係して、リーディングとリスニングとでは別の結果になっているのではないかな。
英語教師は『主観』だけを語るな
講師は『個人的な』データを公表したほうがいい
さて、ここまで来ても、まだ分析は完全にはできない。
というのも、これらの統計だけから結論を導こうとすると、いろいろ反論が考えられるんだ。
例えば、英語を10年以上学習している人がいい成績を取っているのは、もともと成績がいいからそれだけ長く続けられるんだ、とかそういうのが考えられる。
で、はたしてそのような意見が正しいかどうかを検証するために必要なのがTOEIC講師・英語講師の『個人的な』記録だ。
現段階で英語の得意たちが過去の成績まで公表することで、『大体の人は5~7年目あたりでスコアが急上昇してきている』とか『英語のプロでもTOEIC930点前後で一度行き詰るのだな』とか、そういうデータが読み取れる。
少なくとも、主観的に、感想として「英語は才能じゃないよ~」って言うよりも100倍説得力があるとおもうんだけれど、どうだろう。
講師の皆さんはぜひとも検討していただきたいよ。
今回はここまでだよ。
まとめると
勉強期間・日常的に英語に触れる割合が多ければ多いほどTOEICの平均スコアは高くなり、またそこに限界は観測されない(少なくとも今回のデータからは、限界は見られない)。
勉強時間・触れる機会の増加に伴い、リスニング比例して受験者のバラつきが小さくなるのに対し、リーディングでは逆におおきくなる
英語講師は、英語と勉強法や勉強量を統計的・科学的に分析するために個人的なデータを公表した方が、主観としての意見を言うよりも説得慮Kうがあるし、英語教育への貢献度も高まるのではないか
とりあえず、英語は才能以上に時間・機会ということが分かったね。それをもとに行動していこう(^●ω●^)
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