はいどうも、カワウソだよ。
最近は見かけなくなったかもしれないけれど、自称『英語ペラペラ』という人がいる。
「俺、英語ペラペラだぜ!」とまではいかなくても、「そんなに英語で苦労したことはないなあ」という人はいるかもしれない。
そういう人ってたいていウザいよね。
さて、自称英語ペラペラ勢がウザいと思っている人に朗報だ。
自分の英語力に自信のある人は、そうでない人と比べて英語力が低いことが判明している。
具体的には、「私の英語はほとんど通じない」と思っている人とほとんど変わらないほどお粗末なレベルということがわかっているよ。
感覚としても納得する人は多いだろうけれど、自分の英語力に強い自信のある人は、コミュニケーションがまったくできないと思っている人と同じくらい英語ができないことが発覚しているんだ。
今回は、なぜ英語ペラペラ勢の英語力が大したことないのか、その点を考えていこう。
自称『英語ペラペラ』はリスニングもリーディングもできない
自称『ほぼコミュニケーションが取れない』とほぼ同レベル
英語力の自己評価とTOEICの点数の関係について、2017年のTOEIC公式がデータを出している。
「英語でのコミュニケーションに苦労することがどのくらいありますか?」という質問に対して、その回答ごとに平均点を調べたんだ。
それで、回答ごとの平均点は以下の通り(点数は(L/R)の順)
ほぼ常時 290/233
ほぼない 290/239
あまりない 319/265
頻繁にある 320/264
時々ある 334/279
(https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/pdf/Worldwide2017.pdf)
これによると、自己評価によって平均点が最大リスニングリーディング合わせて90点くらい変わってくるんだね。
とはいえ、自己評価が高いほど平均点が高いかというとそうではない。
むしろ、「ほとんどコミュニケーションで困ることはない」と回答している人の英語力は、「ほとんど常に英語でコミュニケーションができない」と思っている人とリスニングの平均点が変わらない、リーディングも6点しか変わっていないという結果になった。
そして、「あまりない」と答えた人と「頻繁にある」と答えた人の平均点が同じというのもまた面白いね。
「英語ペラペラとまでは言わないけれど、そんなに苦労したことないな~」って思っている人も、「いやあ、英語で苦労するのはしょっちゅうですよ」と思っている人も同じくらいの英語力ということになる。
そして、それらから少し頭抜けているのが、「時々コミュニケーションに困ることがある」と思っている人だ。
どのくらいのレベルをして「時々」なのか「頻繁」なのか「あまりない」のかは人それぞれだろうけれど、少なくとも以下のことは言えそうだ。
「わたし、英語ペラペラなんです!」ってアピールしている人は(特に資格などの結果を公表していない場合)、むしろ英語にあまり自信がない人よりも英語ができない可能性が高い。
この結果を受けて改めて自称英語ペラペラ勢を見ると、むしろ可哀そうに感じてくるね。そういう人に出会ったときは、「ああ、この人は英語ができないんだな」と心の中で憐れんでおこう。
英語だけではない、『自信ある人ほど実は馬鹿』の法則
ダニングクルーガー効果という『バイアス』
この、英語が上手いと思っている人ほど英語力が低いという法則。
実は心理学上の効果として認められている。
それが、ダニング・クルーガー効果だ。
これは、能力が低い人ほど、容姿や能力を過大評価するという法則だ。
研究者によると、能力の低い人は
- 自身の能力が不足していることを認識できない
- 自身の能力の不十分さの程度を認識できない
- 他者の能力を正確に推定できない
- その能力について実際に訓練を積んだ後であれば、自身の能力の欠如を認識できる。
ことが判明している。
(参考 ウィキペディア ダニング・クルーガー効果)
英語力に関して言えば、
「俺はペラペラだ」と思っている人は、実は、英語力が低すぎて、自分が如何に英語力がないか、そして周りの人がどのくらい英語ができるのか、それを把握できない。だから独りよがりになって「まあ、コミュニケーションで苦労したことはほとんど無いね」ということができる。ついでに、そういう人は、「もうペラペラだからあえて勉強する必要ない」と、勉強を避けてしまうのではないかな。もしそうだとすれば、英語がペラペラだと思い込むと、かえって自身の英語力向上の妨げになるということになるね。
一方で、文法や単語の知識が増えてくると「今の、過去形で言ったけれど、正確に言えば過去完了の方がよかったかな」とか「companyっていおうか、それともenterpriseって言おうか」のように迷ってしまい、「まだまだ勉強不足だな」と認識する。あるいは、英語のデキル人に多く接触し、相対的に自己評価が低くなってしまう。
余りに評価が低すぎるのも全力を発揮できないから考え物だけれど、過度に英語力に自信を持つのも、成長を妨げるのかもしれないね。
筆者自身も経験した『能力のなさからくる自信』
余談だけれど、僕自身、英語に関してこのダニング・クルーガー効果を経験したことがあるよ。
それが前回の英検二次試験だった。
これを受験した時、「今までで一番手ごたえがあった」と思った。
その前の試験では、あと1点で合格だったから、確実に合格したと思い込んでいたよ。
しかし、ふたを開けたらむしろ逆だった。
過去最低点をたたき出していた。
確実に受かったと思っていたから、いざ結果を見て唖然としたのを覚えているよ。
ここから推測されることは、
常に英語自慢する人でなくても、個人単位でも、手ごたえを感じた時ほど実際の成績は低いということだ。
このあたりは非常に注意しなければならないね。
今回はここまでだよ。
「英語ができる」という人に対しては、ちゃんとした成績があるのか確認してから耳を傾けよう(^●ω●^)
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