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英検の受験料改定は日本教育にとって最悪の行動だ

更新日:

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はいどうも、カワウソだよ。

 

2018年11月20日、英検・日本英語検定協会が、2019年度から受験料(検定料)を値上げすることを発表した。

2019年度より、実用英語技能検定(英検)従来型 検定料改定のお知らせ(pdf)

発表によると、値上げ幅は以下の通り。

 

1級     8,400→9,500 (1,100up)

準1級 6,900→7,600 (700up)

2級    5,800→6,500   (700up)

準2級 5,200→5,900 (700up)

3級       3,800→4,900 (1,100up)

4級       2,600→3,600 (1,000up)

5級  2,500→3,000 (500up)

(数字はすべて円・公開会場試験のみ記載)

 

不景気なこの時代、わずかな値上げも大きな打撃となり得る。

大学入試の英語試験として民間試験を活用するという文部科学省の後押しのおかげなのか、正直英検は調子に乗っていると思う。

 

今回は、値上げに関して英検側の言い分を見ていくとともに、この値上げが受験生にとっても、それどころか英検側にとっても不利益しか生まないということを考えていくよ。

(追記)

2020年度の英検受験料改定に関しても記載しています。

この発表においても問題が残るものだと考えています。

 

 

英検側の言い分

受験者数の増加と運営費の増加

 

まず、英検側はどのように説明しているか見てみよう。

 

昨今、従来型の英検は、全国の多くの大学や高等学校の入試に幅広く採用され、英語能力を測定する英語学習者のための検
定試験というこれまでの位置づけから、新たに「入学試験」の要素が加わりました。それにより、入試利用のための受験者数が増加
し、また従来の英語学習者の皆様も、ここ最近の英語熱の高まりもあり、増加傾向にございます。
最近の従来型の英検の実施運営におきまして、こうした益々増加する受験者様を公開会場に収容するために多様な会場確保
が必要となり、会場借用単価が増加しています。また受験者数増加に伴い比例的に会場数も増加するなか、実施監督者をはじ
めとする人件費等の実施関連費用も増加しています。さらに、入試や情報管理等に対応し得る実施運営、及び物流の品質強
化といったセキュリティ関連費用等も増加しているのが現状です。
こうした実施運営に関わる費用が割高になっている中、これまでは検定料を据え置いてまいりましたが、いよいよ価格に反映する必
要性に迫られ、このたび、近年の受験者動向を勘案した上で、来年度から上述の検定料に改定させていただくことといたしました。

2019年度より、実用英語技能検定(英検)従来型検定料改定のお知らせ

 

要点をまとめると

 

・大学や高校の入試に使われることに伴い、利用者数が増加した

・利用者数が増え、場所代・人件費などがよりかかるようになった

・セキュリティなどの費用も増えている

・よって、値上げを実施する

 

ということのようだね。

しかも、最後の部分を見る限り、今までは何とか受験料を低いまま保っていたけれど、ついに値上げせざるを得なくなったと書いてある。

果たしてそれは本当なのだろうか?検証していこう

 

英検の言い分を検証する

費用の高騰は確実

 

まず、「利用者数が本当に増えているかどうか」について。

 

英検の資料を見る限り、これは真実だ。実際に利用者は増えている。

英検公式HPの資料によると、英検の累計志願者数は、

 

2013年度は約266万人

2014年度は約264万人

2015年度は約323万人

2016年度は約339万人

2017年度は約336万人

 

ずっと増加しているわけではないけれど、2014年度から2015年度にかけて受験者数増加が著しいことが一目瞭然だね。この1年度でなんと22.3%も上昇している

なぜ2015年度に受験者数が大幅に増加したのか?

 

新テスト実施本部の設置を政府が公式に発表したのは2016年の6月だけど、その前年度から、話題にはなっていた。

それで先取りをしようと多くの高校教員が2015年度、生徒に英検を受験をうながしたのではないかな

そう考えると、英検の説明にある、「入学試験の要素」が英検に加わったというのは一理あるんじゃないかな。

 

しかし、それ以外の年は受験者数に大幅な変化は見られない。むしろ、減少している年もあるね。

ということは、英検の説明にある「従来の英語学習者の英語熱の高まり」は、受験者数増加にそれほど影響を与えていないということが予測される

英検受験者の4人に3人以上が中高生だということを考えても、やはり国立大学受験における民間英語試験導入が、受験者数増加の一因だね。

 

英検の費用増加も当然

 

これだけ多くなれば、費用がかさむのも理由として不自然ではないだろう。

これは物価とかとは関係なく、自然な成り行きだ。

英検の説明にある通り、受験者が多くなれば、検定会場もより多く用意しなくてはいけない。試験監督数も増える。

 

また、今まで以上に受験者数が増え、情報の管理が難しくなれば、より高度なセキュリティ対策が必要となる。

また、問題の質を上げたり、採点基準をより合理的なものにするなどを考えたとき、一人当たり人件費を上げることも考えられる。

そういうことを考えると、確かに受験料の値上げは仕方のないことかもしれないね。

 

英検受験料値上げに伴う懸念

 

英語学習者が英検を受けなくなる

 

ただし、問題がないわけでは決してない。

特に打撃を受けるのが、中高生ではない一般受験者だ。

 

中高生の受験者数は、安定して取り入れることができる。何せ、受験に必要だからね。大学を受ける人はほぼ全員受けることになるかもしれない。

では、一方でそれ以外、例えば社会人の英語学習者はどうなるだろう。

正直に言えば、現在、大学生以上の人が英検を受けるメリットは少ないとおもう。

就活や留学で必要なわけでもないし、特に1級や準1級を受ける人は、自分の英語力を確認したい人くらいしか、英検を受ける動機にはならないだろう(あとは、ブランド力があるから自慢のために、というのもあるかもしれない)

 

日本で受けられる英語試験の中では安価だったということも、英検のメリットだったかもしれない。

確かに、TOEFL ibt (235米ドル)、IELTS(25380円)と比べると、英検の中でも最も高い1級(8,500円)の方が圧倒的に安い。

しかし、TOEIC(5725円)という比較的安価なテストが主流になった今、「安い」というメリットも消え失せつつある。

 

となると、中高生の受験者は増えるが、大学生以降の年代の受験者数が減少するのではないかな。

 

 

中高生の英検受験者数の急落もあり得る

 

中高生受験者の増加があるからいいじゃんと思うかもしれない。

しかし、これにも不安がある。

というのも、本当に実際に言われているほど英検が使用されるかどうか、現時点で怪しいんだ。

 

例えば東京大学。英検を必修としないことを発表している。

東大、民間英語試験の成績を出願要件必須とせず 調査書に英語力記入で代用も可

 

これに伴い、東北大など、他の名門国立大も、英検の導入を控える方向だ。

 

有力な国立大学が英検を使わないと発表した。

これに伴い、多くの国公立大学で、英検を含む民間試験を必要としない可能性が出てくる

 

そうなるとどうなるか。

今まで英検が頼りにしていた「中高生」の受験者が大いに減ってしまうかもしれないんだ。

 

それも、受験料を値上げしたうえでの志願者減少。英検側の収益は、値上げ以前よりも悪化するかもしれない。

 

英検受験料の値上げは、各国立大が正式に民間試験導入を発表してからの方がよかったんじゃないかな。

 

英語民間試験導入が延期に

 

2019年11月1日、ついに山が動いた。

文部科学省は、英語試験の民間試験導入を2024年に延期した。

萩生田文科相 英語試験 抜本的に見直し 5年後実施に向け検討

 

これはつまり、現時点で中高生が英検を受験する必要がなくなるということだ。

上で「英検は中高生の受験者数急落もあり得る」と書いたけれど、まさにそれが現実になろうとしている。

 

英検の値上げにより、中高生以外の受験者数はおそらく減少する。

そして、しばらくは導入しないのだから、少なくとも今の高校生は英検を受験する必要がなくなる。

となると、すべての世代において受験者数が減少し、値上げによる利益以上の損害が生じる可能性が非常に高い。

 

正直言って、英検の値上げは明らかに間違いだったと結論づけざるを得ないよ。

 

受験者数を維持するために

 

受験料を還元してはどうか

 

受験者数増加を期待して値上げをしたにもかかわらず民間試験導入が延期になったことで、英検の利益減少は確実なものとなるだろう。

むしろ、赤字になるかもしれない。

では、以下英検はどうすればよいか考えていこう。

 

僕は、英検はいい問題を作っていると思う(英作文の採点は甘くてガバガバらしいけれど)。だからこそ、受験者凋落による試験廃止という未来は見たくないよ。

国立大の御用達試験になるのはいいけれど、それと同時に、一般受験者のインセンティブもおこしてほしいと思っているよ。

 

では、受験者数を維持するにはどうすればいいだろうか。

一つ考えたのが、成績優秀者には受験料の一部を還元するというものだよ。

例えば、受験者上位10%以内の成績で合格した人には3,000円ほど還元されるという仕組みを作ったらどうだろう。

一見英検側にとっては損かもしれないけれど、全体で150円値上げするだけでもとが取れる。

 

 

そうすれば、受験者はお金を安くしたいから今まで以上に熱心に勉強するだろう。となると、日本の英語力向上にもつながる。英語教育の機関として、これはかなり素晴らしいことなんじゃないかな。

さらには、英語自慢の人が何度も受けるようになって、結果的に収益が増えるかもしれない。

英検さんにはぜひ検討してほしいよ。

 

 

今回はここまでだよ。受験料が高くなった今、なるべく早く合格することがより一層求められるようになったと思うよ(^●ω●^)

 

追記:2020年度英検受験料改定に関して

2020年1月、2020年度英検の受験料が再度改定されることが発表されました。

実用英語技能検定 2020年度実施 検定料改定のお知らせ

これによると、英検CBT, S-CBT, S-Interview という従来の英検とは異なり毎週受験可能な試験に関しては値下げをする一方、従来の年3回の英検は値上げをすることになります。

民間試験導入延期に伴っての対応なのでしょうが、これもまた問題があるように思います。

 

その一つに、英検1級受験者のCBT等が実施されていない点があげられます。(2020年1月現時点で、『早期実現へ向けて進行中』なのだそう)

もともと中高生向けに作られたシステムである以上仕方ないことではありますが、これではしばらく1級受験者数が激減するのではないかと思っています。

 

これを解消するためにも、成績上位合格者の還付金制度をもうけることを再度提唱いたします。

合格者の中で上位30%程度の成績の人には数千円の還元をする。そうでもしないと、英語力上位層が英検を受験しなくなり、したがって英検の権威の低下にもつながるおそれがあります。

英検の試験内容は素晴らしいものがあり、私自身高く評価しています。

その英検の影響力がなくならないよう、英検法人には柔軟な対応を求めるところです。

 

 

 

 

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